米Imationが米国時間10月1日に,米Quantumを独占禁止法違反でミネソタ州の連邦地裁に提訴したことを明らかにした。Quantum社がSherman Antitrust Act(シャーマン独占禁止法)のセクション1および2に違反しているという。
Imation社の主張は,Quantum社が同社のDLTテープ・ドライブに対応したデータ・ストレージ・テープにおける生産と販売の独占を図り,価格維持とカルテル行為を行ったとするもの。Imation社は,Quantum社に対して違法行為の差し止めと1億5000万ドル以上の損害賠償を求めている。「独占禁止法のもとでは,3倍の4億5000万ドルに相当することになる」(Imation社)。
Imation社は訴訟の資料としてQuantum社幹部から受けた電子メールを提出した。電子メールの内容は「特別な協定」に触れたもので,Quantum社が率いるカルテルへの参加を促している。またImation社によると,Quantum社DLTのライセンシである富士写真フイルムと日立マクセルの2社は,Quantum社との提携により意図的に製品価格を高く設定しているという。
「Quantum社の独占的行為は価格をつり上げ,供給を制限し,市場に損害を与えている。我が社が訴訟を起こした目的は,オープンで公正な市場を取り戻すこと」(Imation社Data Storage Media and Services部門バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのFrank Russomanno氏)。
また同氏は和解に向けてQuantum社と話し合う意思が残っているとも述べた。
一方Quantum社は,「まったくメリットのない訴訟」とのコメントを同日発表した。「Imation社のテープ・メディアがDLTtapeドライブ対応製品の資格を取得できなかったことを,顧客の目から逸らすための行為だ」(Quantum社)と述べている。
なおインターネット版ウォールストリート・ジャーナルによると,富士写真フイルムと日立マクセルは,この件についてコメントしていないという。
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