米In-Stat/MDRは米国時間5月13日,デジタル・オーディオ放送(DAB)とデジタル・オーディオ・ラジオ・サービス(DARS)の今後の展望に関する調査結果を発表した。厳しい経済状況や開発初期段階のさまざまな困難にも関わらず,デジタル・ラジオは今後5年で,広く消費者に受け入れられるようになる。
受信機製造メーカーは現在,増加するユーザーの需要に応えるために生産台数を増やしている。このことからIn-Stat/MDR社は,将来デジタル・ラジオがアナログ・ラジオに取って代わる可能性があると指摘する。「DABがラジオ番組の多様化を促しており,ラジオ分野のルネッサンスが開花しつつある。英国,ドイツ,カナダなどの主要市場では,デジタルが提供する付加価値の認識が高まっている」(In-Stat/MDR社上級アナリストのMichelle Abraham氏)
出足の遅かった米国でも,衛星ラジオ・サービスを提供する米XM Satellite Radioや米Sirius Satellite RadioなどがDARSサービスを開始したほか,大手ラジオ局がDABを導入しており,今後数年間にデジタル・ラジオ市場が急拡大する見通しだ。
しかしAbraham氏は,「消費者市場に浸透するにはいくつかのハードルがある。メーカーが受信機の種類を増やし,手頃な価格で提供する一方,ユーザーの受信可能範囲も拡大しなければならない。また,すべてのデジタル・ラジオ・システムに対応可能な,相互運用性を備えた受信機の開発が必要である」と指摘した。
その他の主な調査結果は次の通り。
・アナログ・ラジオ放送局は,DABサービスを低コストで短期間に導入することができる。このため米国では,DABが早い時期にクリティカル・マスに達する。
・これまで世界におけるデジタル受信機の出荷台数は低かったが,米国でDARSサービスが開始されたのに伴い,大きく伸びる。
・消費者の多くは,車中でデジタル・ラジオを利用することが考えられるため,米国におけるデジタル・ラジオの成功の可否は,自動車製造メーカーの動向に大きく依存する。
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