米Motorola社の一部門であるMotorola Computer Groupが米国時間5月8日に,無線トランスコーディング・ソリューション「ComStruct PTMC Wireless Transcoder」を発表した。同製品は,チャネル密度と音声品質を上げながら設備投資を最低限に抑えることで,最新の音声処理技術を配備するOEMを支援する。

 同製品は,業界標準のハードウエアとソフトウエアをベースとして,第3世代無線メディア・ゲートウェイとトランスコーダの配備を簡略にしてチャネル容量と音声品質を向上させる。また第2世代/第2.5世代の無線インフラを構成する非標準のデバイスに対して,新しい機能追加も目的としている。

 同製品により,OEMと通信事業者は既存の設備を使いながら最新技術の利点を活用できるため,設備投資とユーザーごとの平均費用を最低限に抑え収益性を向上させることができるという。

 同社によれば,同製品は最高300のAMRチャネル,220を越えるEVRCチャネルを提供するように設計されている。そのためOEMは,開発と配備コストを削減して,冗長性とフェールオーバ管理システムのようなインフラを保持しながら,通信事業者の第3世代(UMTS,CDMA)対応のボコーダに対するニーズに対応できる。

 また,新しいSelectable Mode Vocoder (SMV)向けにソフトウエアでアップグレードできるプラットフォームを提供する。同社によれば,加入者は高品質の音声を楽しむことができ,プロバイダはシステム容量を現行のCDMAボコーダと比較して75%増大できるという。同製品が提供する処理能力とオープンなアーキテクチャにより,無線ローカル・ループ(WLL)/固定無線アクセス(FWA),PMR(Private Mobile Radio),衛星とセキュアな通信アプリケーション,デジタル回線多重化装置(DCME)向けに理想的なソリューションになるという。

 「現行の無線ネットワークのほとんどがプロプライエタリの装置で構築されているため,“プラグ・オン”式のモジュールは装置サプライヤが新しい技術を配備するためにもっとも早く容易な手段となり,ユーザーごとのコストも削減できる。同製品は業界標準を基盤とするアプローチを採っているため,開発者と通信事業者は大きな設備投資やフレーム全体の変更などの効率を混乱なく高めることができる」(同社)。

 「PTMC Wireless Transcoder」は,2002年第2四半期に出荷が予定されている。価格は,大量購入で1ポートにつきおよそ12ドルになる予定。

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