「取締官は将来,犯罪者の認識に携帯電話を使うかもしれない」。米Motorola社,米Visionics社,米Wirehound LLC社の3社が,米国時間3月26日に顔認識機能を搭載するMotorola製のJava対応携帯電話を発表した。同製品は,米サンフランシスコで開催中の「2002 JavaOne Developer Conference」でデモが行われている。

 同アプリケーションは,特に警察機関向けに開発されており,顔認識(facial recognition )用のプラットフォームとしてVisionics社の「FaceIt ARGUS」技術,J2ME技術対応のカラー・ディスプレイを持つ携帯電話「Motorola i95cl」に,Wirehound社の「Birddog」ソフトウエアを搭載して使用している。

 「FaceIt ARGUS」システムは,視野から自動的に顔を見つけ出し,顔写真のデータベースに対して照らし合わせる。適合する顔写真があった場合,「Birddog」コンポーネントは,取締官が携帯する電話に無線アラートを送り,取締官は対象となる人物を確認できる。携帯電話は,複数のイメージをストアでき,新しいイメージが届くとアラートで知らせる。適合がないイメージは,自動的にシステムから削除される。

 「Java対応のハンドセットの利点のひとつとして,さまざまな業界特有のニーズに合わせてカスタマイズできる点がある。このアプリケーションは,高まる公衆安全への要求に対応して,パトロール中の取締官による犯罪者の確認を支援するために開発された」(Motorola社)

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