eビジネス・サービスを提供する米WebSideStoryが米国時間3月27日,ブラウザの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,「Internet Explorer(IE)6」が「IE 5」に続いて2位の座を獲得し,「Netscape」ブラウザのシェアは大幅に減少しているという。

 調査は5000万人以上のネット・ユーザーを対象に,WebSideStory傘下のStatMarket社が実施した。

 世界市場におけるIE 6の使用率は,7カ月前のリリース直後の2.4%から,2002年3月25日時点には30.5%へと飛躍的に伸びている。それに対して,Netscapeの使用率は急落している。IE 6がリリースされるまでの約1年間,12%という安定した使用率を維持していたものの,IE 6のリリースを契機にシェアの地滑りが起きて,現在の使用率は7%をやや上回る程度。

 StatMarket社Product Marketing部門担当副社長のGeoff Johnston氏は「IE 6の急速な普及が,Netscapeの使用率を脅かしているのは間違いない。当初,Netscapeはコア・ユーザーをつかんでいるかのように見えたが,かなりのシェアをIE 6に奪われてしまった。Netscapeは起死回生の策を講じるべき時にきている」と説明した。

 しかしNetscapeは,親会社である米AOL Time Warnerの助けによって,この危機を乗り越えられるかもしれない。最近の報告によると,AOL Time Warner社は自社ブランドのブラウザを,IEからNetscapeブラウザに変更することを検討中である。AOLサービスは現在,世界のISP市場で13.12%を占めており,Netscapeへの切り替えが実現されば,ブラウザ戦争の流れが大きく変わる可能性がある。

◎関連記事
「IE 6がリリースから7日間でNetscape 6のシェアを追い抜き急拡大。ただし,中長期的には伸びは緩やか」と米調査会社
「Netscapeのシェアが大きい国は独・加・米,日本では不人気」と米社調査
米AOLがMicrosoftを提訴,ブラウザのシェア奪還を目指す
AOLがサービスをIEからNetscapeに切り替えれば,ブラウザ戦争再燃
IEの新しいセキュリティ・ホールを解説する
ブラウザの新しい選択肢「Opera」に期待

[発表資料へ]