「米AOL-Time Warner(TW)は自社ブランドのWWWサービスで,米MicrosoftのInternet Explorer(IE)への独占的対応をやめてしまうかもしれない」。WWW関連の追跡調査を手掛ける米WebSideStoryが米国時間5月1日に分析結果を発表した。
調査はWebSideStory傘下でネット・ユーザーのトレンド分析などを手掛けるStatMarket社が実施した。世界のネット・ユーザーが利用しているWWWブラウザの市場シェアについて調査・分析を行ったもの。
StatMarket社によれば,AOLサービスをIEブラウザで提供する「AOL/IE」ブラウザのシェアは2001年4月25日時点で6.4%だった。AOL社がIEで提供しているすべての自社ブランド・サービスをNetscapeに切り替えると,この6.4%がIEのシェアからNetscapeのシェアに“移動”し,Netscapeのシェアは19.5%に達する。一方でIEのシェアは86.6%から80.2%に縮小するという。
AOL TW社は現在IEを使わない新ブラウザ・ソフトウエアを開発中で,動作テストを行っているという。このブラウザはAOLサービスのユーザー向けで,複数のブラウザに対応する。
StatMarket社の副社長であるGeoff Johnston社は,「Netscapeのファンに希望を与えるための仮定」としつつ,「AOL社が抱えるすべてのユーザーがブラウザを切り替えることになれば,ブラウザのシェアに大きな変動が起こる。もちろん,Microsoft社が引き続き大きなシェアを牛耳る構図であることには変わりはない」と説明する。なお,AOL社の会員数は2001年4月時点で2900万人を突破している。
調査結果の詳細は以下の通り。
■表 Internet ExplorerとNetscapeの市場シェア(2001年4月25日時点)
ブラウザ | シェア(4/25時点) | AOLサービスが 切り替えられた場合 |
Internet Explorer | 86.61% | 80.20% |
Netscape | 13.10% | 19.51% |
その他 | 0.29% | NA |
出典: WebSideStory,StatMarket社
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