Netscapeを所有するAOL Time Warnerは,1月22日に米MicrosoftをNetscapeが保持していたWebブラウザのシェアを不法に奪ったとして連邦裁判所に訴えを起こした。

 今回の訴訟はMicrosoftの独占禁止法違反訴訟での判決を踏まえたものだ。その訴訟では,NetscapeからWebブラウザ市場のリーダーの座を奪い取るためにMicrosoftが試みた様々な方法が法律に違反していることが明らかになった。

 AOLはMicrosoftが競争阻害の訴訟手続きを終えて損害賠償金を支払うことを望んでいる。そして,賠償金はMicrosoftに深刻なダメージを与えるかもしれない。連邦法の下では,裁判で明らかになっている実際に生じた損害額の最大3倍になる可能性がある。

 「今回の行動はブラウザ市場で正義を勝ち取る試みである」とAOLはいう。9つの州が,MicrosoftがWebブラウザのInternet ExplorerをバンドルしないWindowsを販売することを要求しており,AOLはこれを支持する。AOLによると,ほぼ独占状態にあるOSにIEがバンドルされているので,Webブラウザ市場を引っ張る力が強くなってしまったという。

 AOLはMicrosoftが法律に違反していることを立証する必要はない。独占禁止法違反訴訟で確定していることだからだ。代わりに,AOLはブラウザ市場に再び競争を持ち込むための救済手段を要求して,マイクロソフトを攻撃できるようになる。その方が金銭面でも得である。