インターネットのトラフィックの追跡調査を手がける米WebSideStoryが米国時間9月5日に,「Internet Explorer(IE)の新版『6』の利用が急速に拡大している。8月27日のリリースからわずか7日間で,米AOL Time WarnerのNetscape 6のシェアを追い抜いた」とする調査結果を発表した。IE 6のシェアはすでに2.4%に達しているという。

 調査は傘下のStatMarket社が5000万人以上のネット・ユーザーの利用状況を追跡し,分析したもの。

 「IE 6は出だしに勢いがあるものの,中長期的には伸びが緩やかになるとみられる。その理由は,まず競合のNetscapeがコア・ユーザーをつかみ始めていること。こうしたユーザー層は容易にブラウザを乗り換えたりしない。また,新版『6』は旧版の『5』と比べ確かに様々な機能が拡充されているが,ユーザーの方は『5』の機能ですでに満足している。アップデートの必要性を感じる人はあまり多くない」(StatMarket社Product Marketing部門担当副社長のGeoff Johnston氏)。

 Microsoft社がIE 5をリリースした1999年3月時点のブラウザ市場は,IE 4がシェア55%,Netscape 4が26%だった。2000年初めにはIE 5が50%を超える規模に拡大し,一方でIE 4は24%へ,Netscape 4は18%へと縮小した。現在はIE 5が圧倒的なシェアを占めている。また,Netscape 4もコア・ユーザーをがっちりと掴んでおり,シェアが安定しているという。国別でみると,ドイツではNetscapeを利用する人の割合が高く,20%を超えている。逆に,日本では10%未満と低い。

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