米Lucent Technologiesが米国時間3月6日に,CDMA2000基地局システム,「Flexent CDMA Modular Cell 3.0」と「Flexent CDMA High-Density(HD)3.0」を発表した。「モバイル通信事業者が次世代技術に移行する際に,ネットワークに対する投資を無駄にせず機能追加できる」(Lucent社)。なお米Verizon Wirelessが,Modular Cell 3.0をダラスに,HD 3.0をボストンに導入するという。

 Flexent CDMA Modular Cell 3.0は,基地局内部に配電とバッテリ・バックアップ機能を組み込むことができる。セル・サイト装置の設置面積を33%削減し,より多くの無線周波数帯に対応可能だという。

 Flexent CDMA HD 3.0は,同社の既存の基地局「AUTOPLEX Series II」と互換性がある。「アンテナ,フィルタ,アンプなど装置の多くを再利用できるため,AUTOPLEXシステムに対する投資を無駄にせず機能追加が可能」(同社)

 Modular Cell 3.0およびHD 3.0は,いずれもデジタル無線シェルフ「Flexent OneBTS」対応にアップグレードできる。現在開発中の次の技術などに対応する予定だという。

・インテリジェント・アンテナ:複数のアンテナ/アンプを使う技術。基地局を追加せず,需要に応じた性能向上とサービス・エリア拡大が可能。

・デュアル・バンド,ミックス・モード対応:同一キャビネットで850MHz帯および1900MHz帯,UMTSおよびCDMA200のさまざまな組合せに対応する。

・通信事業者間のチャンネル共有:複数の部門や通信事業者間のトラフィックを処理することで,性能を向上させる。

 Modular Cell 3.0には屋内用と屋外用があり,1900MHz帯および850MHz帯で,cdmaOne,CDMA2000 1Xの音声/データ,CDMA2000 1xEV-DOに対応可能。1900MHz帯の屋外用は2002年5月に利用可能になる予定。1900MHz帯の屋内用と850MHz帯の屋内/屋外用は,2002年8月の利用開始を予定する。

 HD 3.0は850MHz帯の屋内用システムで,cdmaOne,CDMA2000 1Xの音声/データ,CDMA2000 1xEV-DOに対応する。アナログ機能に対応するので,既存のSeries IIシステムも利用できる。北米の利用開始は2002年3月後半で,世界での利用開始はそれ以降になる。

 なおLucent社は,3月18日から20日にかけてフロリダ州オーランドのオレンジ郡コンベンション・センターで開催される「Cellular Telecommunications and Internet Association Wireless 2002」で,Modular Cell 3.0の実演を含め両システムのデモンストレーションを行う予定である。

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