米AT&T Wirelessが米国時間7月17日に,米国でGSM(Global System for Mobile Communication)およびGPRS(General Packet Radio Service)ネットワークの無線データ通信サービスの提供を始めたことを明らかにした。米国におけるGPRSネットワークの商用サービスはこれが初めて。

 企業および個人の両方に向ける。企業のイントラネットなどに向けた高速データ通信をはじめ,無線インターネット,電子メール,メッセージング,個人情報管理などのサービスに対応する。

 ボイス・メールと電子メールのメッセージを一つのメールボックスで管理する統合メッセージング・サービスや,音声サービスとデータ・サービスを容易に切り替えることのできる高速常時接続サービスなども提供する。

 米Motorolaが同日,AT&T Wireless社のGPRSネットワークに向けた携帯電話機「Timeport 7382i」の提供を始めたことを明らかにした。価格は199ドル99セント。WAP (Wireless Application Protocol)対応のマイクロブラウザを搭載している。

 新サービスの利用料金は,400分の音声通信と1Mバイトのデータ通信(送受信)を組み合わせたスタンダード・プランが月額49ドル99セント。1Mバイトを超えると1Kバイトあたり1セント以下の課金となる。

 対象地域は当初,米国のシアトルのみ。2001年中に同社のサービス・エリアの40%をカバーし,2002年末までにエリア全域に拡大する計画である。

 第3世代技術については,EDGE(Enhanced Data rate for FSM Evolution)方式のネットワークを2002年初めまでに,UMTS(Universal Mobile Telecommunications Systems)方式のネットワークを2003年以降に展開する計画である。

 なおAT&T社は7月9日(米国時間)に,AT&T Wilress社のスピンオフが完了したことを発表している。AT&T Wilress社の本社はワシントン州シアトル郊外のRedmond。

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[AT&T Wireless社発表資料]
[Motorola社の発表資料]