USB仕様の策定を進める非営利団体「Universal Serial Bus Implementers Forum(USB-IF)」はUSB 2.0の拡張仕様「On-The-Go(OTG)」(改訂版1.0)を米国時間12月18日,発表した。

 USB標準規格は当初,パソコンと周辺機器を接続する共通インタフェースとして設計された。現在ではMP3プレーヤ,デジタル・カメラ,PDA,携帯電話機といった多数の機器がUSBを採用している。USBはコストが低く,高速転送を実現する。

 しかしモバイル機器の普及が進むにつれて,パソコンを使わずにモバイル機器同士を直接接続したくなる。「OTG拡張仕様はこうしたニーズに応える」(USB-IF)。OTG拡張仕様の主な内容は以下の通り。

・ホスト機器の機能を制限し,特定のUSB対応機器と接続可能にする

・小型USBコネクタでモバイル・フォーム・ファクタに適合する

・低電力消費機能により電池寿命の延長を図る

 上記の機能をも備えた“二役”のUSB機器はホストにも周辺機器にもなり,他のUSB対応機器と接続できる。パソコンとは異なり,“二役”機器はすべてのタイプのUSB対応周辺機器をサポートする必要がない。しかし各OTG対応製品は既存のパソコンに接続した場合,周辺機器として動作しなければならない。

 「OTG拡張仕様のリリースにより,他のMP3プレーヤと接続して音楽ファイルを転送できるMP3プレーヤ,プリンタに直接つないで写真を印刷できるカメラ,携帯電話機に接続してモバイルWWWサーフィンが楽しめるPDAといった製品の開発が可能になる」(USB-IF)。

 OTG対応製品を認定するプログラムが現在進行中である。USB 2.0対応テストとOTG対応テストに合格したモバイル機器は,USB認定ロゴの使用が許可される。

 OTG拡張仕様はUSB 2.0 Promoter Groupの協力のもと,USB On-The-Go Committeeが策定した。策定作業に参加した企業には,米Cypress Semiconductor,スウェーデンのEricsson,米Hewlett-Packard(HP),米Intel,米Microsoft,米Motorola,NEC,フィンランドのNokia, 米Palm,オランダのPhilips,米Texas Instruments(TI)などが含まれる。

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