USBの標準化団体「USB Implimenters Forum」のBoard of Directorである徳梅孝啓氏(NECエレクトロンデバイス販売技術本部グループマネージャー)は,10月23日に行われたアダプテックジャパンの新製品発表会の中で講演しUSBの今後の動向について語った。

 業界全体として,USB 2.0の製品化が遅れた理由は「マイクロソフトのデバイス・ドライバの検証が遅れていたため」。特に動画や音声などを送る時のデータ転送モードに対応した周辺装置の準備が整わなかったことが大きいと述べた。今後の製品動向に関しては「これからWindows XPの発売と同時に,デバイス・ドライバがダウンロード可能になる。年末から年始にかけてUSB 2.0を標準搭載したパソコンも各社から出てくるだろう。2002年にインテルがUSB 2.0標準搭載のチップセットをリリースすると思われるので,来年夏にはUSB 2.0は当たり前のインターフェースになるだろう」と語った。

 さらにUSB 2.0以降の規格化に関しては「USB 3.0は検討していない。インターフェースの普及というのは最低でも5年はかかるものだ。USB 2.0のデータ転送速度で当分は十分足りると思っている。ただし,周辺機器同士でポイント・ツー・ポイント通信するためにUSB 2.0の補足仕様“USB On-The-Go”をまとめている段階だ」と,USB Implimenters Forumにおいて標準化作業を進めていると語った。

(木下 篤芳=日経Windowsプロ)