(2001.11.21,Elisabeth Goodridge=InformationWeek

 オンラインでITスキルのテストや認定を行う米Brainbenchは米国時間11月21日,「ネットワーク・セキュリティや災害からの復旧など,サイバー攻撃に対する防衛に精通したIT人材が不足している」との調査報告を発表した。米国政府がサイバーテロの発生を防ぐ目的で法律制定にのりだしている時期だけに,気がかりな報告である。

 Brainbench社は,過去12カ月間に同社のサイトで実施した450万件のオンライン・テストや資格認定の結果を分析した。調査対象となった5つのスキルのうち,もっとも人材が不足しているのは,資格認定者が全米で111人しかいない災害復旧対策分野である。「災害復旧については,『誰か他の人が担当しているだろう』と思いがちだ」(Brainbench社社長兼CEOのMike Russiello氏)。

 また,ネットワーク・セキュリティとWAN(wide area network)技術に優れた人材も十分とは言えず,それぞれ211人と640人である。一方,インターネット・セキュリティ(4098人)とTCP/IP管理(4258人)は報酬が多い分野のため,より多くの人材がいる。

 Russiello氏は,災害復旧,ネットワーク・セキュリティ,WANの専門家が少ない理由として,「これまで需要が低かったため,研修や資格認定を受ける金銭的なインセンティブがなかったからだ」と述べた。しかし9月11日の対米同時テロを契機に,企業がセキュリティ関連のインフラ見直しを図ることが予想され,今後は需要が高まる見通しだ。

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