米RBC Capital Marketsが米国時間11月15日に,情報セキュリティ市場に関して調査した結果を発表した。それによると,2005年には世界中の企業や政府機関が情報セキュリティに300億ドルを投資するようになるという。テロリストやその他のセキュリティへの脅威から情報システムを保護するためである。

 これまでは情報セキュリティへの投資が不十分だった,とRBC社は指摘する。2000年はネットワークでの機密漏洩,ウイルス,クラッカ(悪意のあるハッカー)による損害額が150億ドルにおよんだ。2000年における企業と政府機関をあわせた情報セキュリティ費用は合計100億ドル程度だった。

 アナリストのStephen Sigmond氏によると,情報セキュリティ費用は今後5年間に年平均約20%で増加し,2005年には318億ドルに達するという。ちなみに2001年の情報セキュリティ費用は135億ドルとなる見通しだ。

 「セキュリティ・ソリューションはネットワークの情報保護のために不可欠というだけでなく,電子商取引や無線通信,VPN,ASP,SANといった数十億ドル市場の開発にとっても重要な要素である」(Sigmond氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・スイート製品を好む企業より,業務ごとに特化した機能を提供するbest-of-breed製品を好む企業の方がはるかに多い。セキュリティ製品市場は非常に分散しており,大きく14の分野に分けられる。スイート製品では一貫した包括的なセキュリティ機能を提供することが難しい。

・2000年に始まった整理統合は今後1年~2年で加速する(2000年の主要な合併/買収件数は34件)。公開企業,とりわけネットワーキングやネットワークおよびシステム管理に関わる企業は,自社の拡充より買収を進めるとみる。

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