米Broadcomが,暗号化処理用プロセサ「BCM5820」「BCM5821」を使用したSSL(Secure Socket Layer)アダプタ「CryptoNetX SSL4000」「CryptoNetX SSL800」を,米Red Hatの「Red Hat Linux 7.2」に対応させた。同社が米国時間11月7日に明らかにしたもの。Red Hat Linuxにプラグ&プレイで導入でき,最大で毎秒4000件のSSLトランザクションを処理できるという。

 電子商取引処理において不可欠な情報の安全確保を実現しようとすると,処理速度に大きな影響を及ぼすことがある。CryptoNetXではこの処理をハードウエアで行うことで高速化し,電子商取引サービスの応答性を改善する。

 CryptoNetXにより,Apache Web ServerアプリケーションおよびOpenSSL暗号化コマンド・ライブラリ,Red Hat Linux 7.2といったオープン・ソースのWWWサーバー・プラットフォーム上で,高速で安全なWWWアプリケーションの実現が可能になる。

 Red Hat Linux 7.2には,CryptoNetX SSL4000/SSL800,BCM5820,BCM5821用のドライバが付属する。またApache WWWサーバー用のプラグ&プレイ機能に加え,複数のCryptoNetXアダプタ間でのロード・バランシングや自動フェイル・オーバなど,障害耐性に関する機能も持つ。

 Broadcom社によると,CryptoNetXアダプタを使用することでSSLトランザクションの実行速度が,ソフトウエアだけの場合に比べ600%向上するという。

 CryptoNetXアダプタの主な特長は次の通り。

・SSL/TLSの公開鍵暗号化処理を高速化し,CPUの負荷を軽減

・CryptoNetX SSL800とSSL4000のSSL/TLSトランザクションの処理速度は,それぞれ毎秒4000件,毎秒800件

・32/64-bit,33MHz~66MHzのPCI 2.2互換

・SNMP(Simple Network Management Protocol)とシステム診断機能を内蔵

・HTML形式のユーザー・ガイドとインストール・マニュアルが付属

 CryptoNetXアダプタは,Broadcom社が認定したサーバーとネットワーク関連OEM製品で使用できる。価格については問い合わせのこと。Red Hat Linux 7.2用に構成した消費者向け製品は,主なサーバー販売店で間もなく発売する予定。

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