米Gartnerが米国時間10月10日に,「2001年から2002年にかけてWebサービスが最も注目されるトレンドとなりそうだ。しかし現在のところは,Webサービスを過小評価している企業が少なくない」とする分析を発表した。
Gartner社によれば,Webサービスを積極的に導入することで,企業は2005年までにIT関連の開発プロジェクトの効率を30%程度高めることができるという。
「完璧なWebサービスを導入しようとして導入時期を遅らせるよりも,早期に着手して試行錯誤しながらも目指す方向へ進んでいくのがベター。開発プロジェクトのプロセスを改善し,簡易性を高めたり,戦略を見直すことで,ただちにメリットを享受できる」(Gartner社調査ディレクターのWhit Andrews氏)。
Gartner社は,企業は2002年前半まで,遅くとも2002年後半までには,Webサービスの基本モデルをベースにした試験プロジェクトの立ち上げに着手すべきとしている。
Webサービスはインターネットを介して業務処理をソフトウエア部品としてパッケージ化,複数のシステムを連携するもの。業務プロセスや情報,タスクなどをシステム間で共有,連携することで業務効率が高まる。
「アプリケーション開発は,プログラムやコーディング作業をベースとしたモデルから,業務上のニーズやアプリケーションの機能を相互に結びあわせるコネクト・ベースのプロセスへと移行していく」(Gartner社)。
Gartner社は現状における主な問題点として,ベンダー間の相互運用性が確保されていないことを挙げている。
産業別にみると,まずは認証システムなどを備えたネットワークがすでに構築されている金融部門での導入が進むとGartner社はみる。さらに,運輸,エネルギー,ハイテク,小企業などのうち,Webサービス導入のためのインフラが整っており,追加コストをあまりかけずにソフトウエアをインストールできる企業での導入が進むとしている。
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