米IBMが米国時間10月9日に,ノート・パソコン「ThinkPad」の新モデル4機種とデスクトップ・パソコン「NetVista」の新モデル3機種を発表した。今回発表した製品は,NetVista Mシリーズ,同Aシリーズ,同Xシリーズ,ThinkPad Rシリーズ(R30),同Aシリーズ(A30),同Xシリーズ(X22),同Tシリーズ(T23)。

 業界アナリストによると,ほとんどの企業が異なる種類のパソコン管理にハードウエア・サポート経費の50%を費やしており,社内のコンピューティング・スタッフの30%以上を割いている。

 「パソコンのハード・ディスク装置に格納したソフトウエア『ImageUltra』は,個々のパソコンの“イメージ(パソコンのハードウエアやソフトウエアの構成)”を,企業ネットワークにつながった一つの“スーパー・イメージ”としてとらえる。このImageUltraと関連サービスを利用することにより,企業はパソコン1台当たり,毎年100ドルのコスト削減が可能になる」(IBM社)という。

 ImageUltra発表にあたり,IBM社はノースカロライナ州ResearchTriangle Park,藤沢市(日本),Greenock(英国スコットランド)の3カ所に「Imaging Technology Centers」を開設したことを明らかにした。センターではカスタム・イメージの開発,管理,互換性テストといったサービスを提供する。

 ThinkPadの新製品には,IBM社研究所(IBM Research)が開発したデュアル・アンテナ構造の無線LANを組み込んでいる。また,NetVistaの新製品では高速無線LANのPCIアダプタ・カードをオプションで用意する。有線LANと同様のデータ転送速度を実現し,128ビットの暗号化に対応する。

 セキュリティ機能としては,「Embedded Security Subsystem」を取り入れた。パソコンのハード・ディスク装置に格納されているデータを暗号化し,たとえコンピュータが盗まれた場合でも情報の機密性を維持する。

 新モデルの価格は,NetVista Mシリーズが999ドル~1999ドル,同Aシリーズが699ドル~1999ドル,同Xシリーズが1499ドル~2549ドル,ThinkPad Rシリーズが1249ドル~2099ドル,同Aシリーズが2849ドル~3749ドル,同Xシリーズが1949ドル~2399ドル,同Tシリーズが2849ドル~3749ドル。ThinkPad A,同X,同Tシリーズはすでに発売を開始している。ThinkPad R30は10月30日に出荷を開始する。

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