米HP(Hewlett-Packard)が米国時間9月6日に,米MicrosoftのPDA向け新OS「Pocket PC 2002 Premium Edition」を搭載した2種類のカラーPDA「Jornada 565」と「同568」の出荷を小売店向けに始めたことを明らかにした。「Pocket PC 2002 Premium Edition搭載機はこれが初めて」(HP社)という。
ユーザーは外出先で,重要な企業情報へのアクセス,電子メールの確認,他のPDAやパソコンとの通信,プリンタの利用,デジタル画像の撮影,共有,編集を行うことが可能(無線インターネット利用には別途モデムとサービス契約が必要,画像撮影にはHP社の「Pocket Camera」が必要)。
バッテリにはリチウム・ポリマー2次電池を使い,動作時間は1回の充電で14時間。外形寸法は132 x 76.5 x 17.2 mm。重さは173g。8Mバイトの米Intel製フラッシュ・メモリーを搭載する。追加のメモリ・カードや無線モデムを装着するためのCompactFlash Type Iスロットを備える。ディスプレイは16ビット・カラーの反射型TFT。解像度は240 x 320画素。CPUはIntel社の「StrongARM」である。動作周波数は206MHz。
なおHP社は,次世代PDA向けの音声コミュニケーションと無線アプリケーションの開発に関して,Intel社と連携することも明らかにした。
「Outlook」「Word」「Excel」「Internet Explorer」のポケット版,「Terminal Services Client」「MSN Messenger」「Microsoft Reader 2.0」「Microsoft Windows Media Player 8 for Pocket PC」などのソフトウエアが付属する。
そのほか,Landware社のビジネス電卓ソフト「OmniSolve」,Developer One社の個人向け財務情報管理ソフト「CodeWallet Pro」などをバンドルする。カナダCerticomのVPNソフト「MovianVPN」を組み込んでおり,VPNサーバーとのアクセスが可能。また,HP社のJava仮想マシン「Chai」および「MicroChai」を搭載する。企業ユーザーはJava対応アプリケーションを開発したり利用することができる。
Jornada 565と同568は販売店向けに出荷を開始しており,10月4日に北米で購入可能になる。Jornada 565は32Mバイトの主記憶を内蔵し,価格は599ドル。同568は64Mバイトの主記憶を備え,価格は649ドルである。年内に購入した場合は50ドルのリベートが付く。保証期間は1年間。
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