米Intelが米国時間6月11日に,「世界最速」(Intel社)のトランジスタを開発したと発表した。ゲート長20nmで,ゲート酸化膜の厚さはわずか原子3個分。

 この技術は0.045μmルールの製造技術のベースとなり,2007年には10億個のトランジスタを搭載した,動作周波数20GHzで電源電圧1V以下のマイクロプロセサが可能になると見込んでいる。

 このトランジスタについては,同社研究所の研究員が6月10日に京都で開催中の半導体コンファレンス「2001 Silicon Nanoelectronics Workshop」で発表を行った。

 「少なくともあと3世代,10年は『ムーアの法則』が続く」(Intel社Technology and Manufacturing Group部門Components Research研究所ディレクタのGerald Marcyk氏)。

 「トランジスタ小型化の限界はまだ見えていない」(Intel社Logic Technology Development部門トランジスタ研究ディレクタ兼Intel FellowのRobert Chau氏)。

 今回開発したトランジスタは,現在最速のトランジスタ(同社が昨年発表したトランジスタを含む)と比べて30%小さく,25%高速だという。1秒間あたりトランジスタのオン/オフを1兆回以上行える。このトランジスタを利用したマイクロプロセサは「1回まばたきをする間に10億回近い計算をすることができる」(Intel社)という。

 ちなみに6月8日には米IBMが,シリコンに手を加えて半導体の処理速度を最大35%高める技術「Strained Silicon」を発表している。

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