米Analog Devices(ADI)が米国時間6月11日に,16ビットDSP(Digital Signal Processor)の新製品「ADSP-21535 Blackfin」を発表した。米Intelと共同開発したDSPアーキテクチャ「Micro Signal Architecture」をベースにする。

 「Micro Signal Architectureを製品化したのはこれが初めて」(ADI)という。通信やインターネット端末といったアプリケーションに向ける。

 また同社は,Blackfinと組み合わせて使う電源管理チップも発表した。Blackfinのコア電圧を調節し,「消費電力を60%以上節約することが可能」(ADI)としている。

 ADSP-21535 Blackfinはビデオ電話機,ゲーム機,ネット端末,インターネットTV,インテリジェント携帯電話機などでの利用を視野に入れる。動作周波数は300MHz。1秒あたり最大6億回の積和演算を実行できる。動作電圧0.9Vでの消費電力は42mW。

 「ほかのDSPに比べ最大10倍のマルチメディア・コンテンツ処理性能を提供できる」(Analog Devices社)としている。算術論理演算回路(ALU)は1サイクルで8ビットの計算を最大4回行うことが可能。PCIインタフェースを装備する。電圧と動作周波数を調整するDynamic Power Management機能を備える。

 ADIはBlackfinファミリ製品の動作周波数を最大1GHzまで引き上げる計画である。

 開発ツールと技術文書を含む統合開発環境「VisualDSP++ Integrated Development Environment」はすでに利用可能。ADSP-21535 Blackfinは2001年9月にサンプル出荷を開始し,2002年第1四半期に量産体制に入る。200MHz版と300MHz版を用意する。

 1万個ロットの価格は,200MHz版の「ADSP-21535PKCA-200」が27ドル,300MHz版の「ADSP-21535PKCA-300」が34ドル。

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