米Intelと米Analog Devicesは米国時間12月5日に,両社が共同開発したDSP(digital signal processor)のアーキテクチャ「Micro Signal Architecture」を明らかにした。

 Micro Signal Architectureは,DSPとマイクロコントローラの機能を一体化したもので,「プログラムの容易さ,性能,消費電力でメリットがある」(両社)。

 Micro Signal Architectureは,Dynamic Power Management機能を備えた「初めてのDSPアーキテクチャ」(両社)。Dynamic Power Managementは,ソフトウエアの動作を監視し,電圧と動作周波数を調整する。

 モデム,オーディオ,ビデオ,音声の信号処理を行う電池動作の通信機器に向ける。チューニングにより,ほかのDSPに比べ最大10倍の性能を提供できるとしている。Intel社の無線携帯端末向けアプリケーション開発のための枠組み「Personal Internet Client Architecture(PCA)」で重要な役割を担うものと位置づける。

 Intel社とAnalog Devices社は同時に,コンパイラも発表した。これにより開発者はC言語およびC++で信号処理と制御コードを記述できる。

 Micro Signal Architectureの仕様とツールは両社共同のWWWサイト(http://www.adi-intel.com)で公開している。Micro Signal Architectureを採用したDSPは,2001年初めにも開発パートナ(OSベンダーや開発ツール・ベンダー)に提供する予定である。

 なおIntel社とAnalog Devices社は,製品の製造とマーケティングはそれぞれ個別に行う。ただし両社の製品は,バイナリ・コードのレベルで互換性を保つという。製品の出荷は1年後になる見込みである。

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