米Polaroidが米国時間5月31日に,2種類の新たなデジタル印刷技術「Opal」と「Onyx」(ともに開発コード名)を発表した。ニューヨークで開催中の「Digital Sandbox」にて明らかにしたもの。Polaroid社はこの技術をデジタル戦略の中心に据え,銀塩写真分野から大きく転換を図る。

 「35mm写真と同等の画質で素早く簡単にデジタル・プリントができる。各種モバイル印刷をはじめ,写真キオスクや家庭写真印刷などでの利用を想定している。また,パートナ企業にこの技術を公開し,さまざまなデジタル印刷製品の開発に向ける」(Polaroid社会長兼CEOのGary T. DiCamillo氏)

 OpalとOnyxは,メディア研究開発部門副社長のSamuel H. Liggero博士が中心となり,Polaroid社の開発チームが2年以上の歳月をかけて取り組んできた。「35mm写真と同等の画質で1分当たり50~60枚まで印刷速度を高めることができる」(Liggero氏)という。

 Opalは,2枚の感熱印刷シートを利用した技術。従来の熱転写とインク・ジェット技術の長所を組み合わせた。

 Onyxは1枚の感熱印刷シートを使う。多様性がありコストが低いのが特徴。PDAや携帯電話機用のモバイル・プリンタ,車載GPSや地図案内システムのインダッシュ・プリンタといった各種の消費者向けおよび商業向けアプリケーションに向く。

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