「様々なデジタル画像対応機器の登場と爆発的な成長により,写真現像サービスの需要が大幅に縮小している。米国で2000年にデジタル機器で処理された(キャプチャされた)画像は91億枚に達した。今後,年平均成長率26%で拡大し,2005年には295億枚へと急伸する」。米International Data Corporation(IDC)が米国時間5月1日に調査結果を発表した。

 295億枚の主な内訳は,デジタル・カメラで撮影される画像が174億枚,スキャナやインターネット対応写真機(IPA:Internet Photo Appliance)で取り込まれる画像が104億枚。IPA市場は米国での伸び率が目覚ましく,110%を超える成長率で拡大するという。

 「画像対応機器の拡大が消費者や企業の画像プリント方法を大きく変えている。特にインターネットを使って画像を簡単に送受信できるようになったことが大きい。写真現像サービス産業は今後2~3年にわたって激震にみまわれることになる」(IDCマネージャーのRon Glaz氏)。

 Glaz氏は,「IPAは現在のところ画像の質や伝送速度の点でいまひとつ。今後は垂直市場における携帯電話機やモバイル機器を使った画像の利用が大きく伸びる」と指摘する。

 デジタル画像のプリント数も著しい伸びをみせる。IDCは2005年における画像のプリント数が,個人ユーザー114億枚,企業ユーザー42億枚の規模に拡大すると予測している。

 「デジタル画像のサービス・プロバイダなどは,オンライン,オフラインの写真キオスクを介したデジタル写真サービスの提供をはじめ,画像処理,プリント・サービスなど,個人やSOHOユーザーに向けたソリューションに力を入れることで,売り上げを大きく伸ばせる」(IDC)。

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