LSIパッケージ技術の開発会社である米Tesseraは米国時間5月25日に,次世代の無線/携帯機器向けの半導体パッケージ・ソリューションを米Intelと共同で開発すると発表した。

 Tessera社の技術を用いたマルチダイCSP(chip-scale packaging)などの開発で協力体制を敷く。高さ1mm以下の一つのパッケージ内に三つのダイを重ね合わせて封止するTessera社の技術を用いる。複数のダイを一つのCSPに収めることで,「無線機器にとって重要となる,コスト削減,軽量化,省スペース化を実現する」(同社)という。

 これら新開発する技術(スタックド・パッケージ技術)には,Tessera社の特許である「μBGA」パッケージと同様の技術を用いる。μBGAパッケージ技術では,シリコンと回路基盤とで異なる熱膨張率/収縮率を調整する。これによりシリコンチップとほぼ同じサイズながら,信頼性の高いパッケージを実現することができる。新開発する技術では,μBGAパッケージと同様の結果が得られるという。「落下,衝撃,振動,信頼性といった無線機器メーカのさまざまな試験に耐えられる」(同社)。

 Tessera社は,Intel社に向けた最初のサンプル品の出荷をすでに始めている。Tessera社では,2001年末までには,この技術が半導体業界で一般に利用可能になるとみている。また同社はこれ以外のスタックド・パッケージの開発も行っている。これにはベースバンド・プロセサなどが含まれる。こちらも2001年末までに利用可能になるという。

 「無線インターネット機器のサイズは日々小さくなり,一方機能はどんどん多くなっている。製品サイズの縮小とコスト低減の要求から,OEMのスタックド・パッケージに対する期待が急増している。スタックド製品とマルチチップ製品はIntel社のビジネスの成長分野。当社はこのトレンドの最前線の位置にとどまり続ける」(Intel社Flash Products Groupのバイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのDarin Billerbeck氏)。

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