米AOL Time Warnerの一部門であるAmerica Online(AOL)社が米国時間5月22日に,AOLサービスの月額料金を7月請求分から1ドル95セント値上げすることを明らかにした。現行の21ドル95セントから,新料金は23ドル90セントとなる。

 料金改定は1998年4月以来,3年ぶり。同社は1996年に従量課金制から無制限利用の月額固定料金制に移行している。

 AOL社は今回の値上げについて,次のように説明している。

 「AOL社がAOLサービスの高速化や信頼性向上などに費やしてきたコストはここ3年間で35億ドルを超えている。インスタント・メッセージ機能や24時間の無料電話サポート・サービスなどで,継続的にサービスや機能を向上させている。子ども向けのセキュリティ機能やプライバシ保護機能,You've Got Pictures,Shop@AOL,My Calendar,AOL PLUSなどといったサービスも次々と追加している。この間に,ユーザーによるサービスの利用時間は50%以上延びて1日当たり平均70分となった。そこで,値上げにより,こうしたサービスの継続的な向上を資金面で支えていく」。

 なお月額サービス料金以外のサービス料金は変更なく,これまで通りとなる。
米ウォールストリート・ジャーナル紙(インターネット版)は,「今回の値上げにより,AOL社の収入は四半期当たり1億2500万ドル増える見込み」(米大手投資銀行Merrill LynchアナリストのHenry Blodget氏)という。

 なおAOLサービスの会員数は2001年4月に2900万人を突破している。AOL Time Warner社の決算は,増収ながら合併関連の経費が大きく,赤字が続いている。2001年第1四半期決算は9%増収で,収支は14億ドルの赤字だった

 ここのところ,高速ネットワーク・サービスのプロバイダのあいだでも値上げが相次いでおり,DSLサービスの米EarthLink,米SBC Communications,米Bell Southに続いて,CATV業者の最大手AT&T社も6月から値上げを行う。これまで高速インターネット・サービスの利用料金は月額50ドル程度だったが,今回の一連の値上げで70ドルになる(詳しくは,米国最新IT事情「米国でブロードバンド・インターネット普及の足を引っ張る“規制”」)。

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