米Sun Microsystemsは米国時間4月25日,分散コンピューティング研究プロジェクト「Project JXTA」について明らかにした。

 JXTAは,“並列する”を意味する“Juxtapose”の略で“juxta”と発音する。Project JXTAはもともと同社のチーフ・サイエンティストであるBill Joy氏が率いる研究プロジェクトで,インターネット環境における情報の共有,格納,検索の基盤を築くことを目的としている。Sun社は,この取り組みを「Find it, Get it, Use it」という言葉で説明している。

 「WWWは,その奥行き,幅ともに発展しており“expanded Web”に向かって進化している。そういう環境では,効率よく情報をやりとりしたり,資源にアクセスすることが困難になる。Sun社は統一的なアプローチを提供することでこの問題に取り組む。これによりユーザーは情報を迅速に,探し,入手し,使うことができる」(Project JXTAバイスプレジデントのMike Clary氏)。

 Project JXTAが最初に取り組むのは,Java技術のインプリメンテーションであるという。またSun社はこのプロジェクトを発展させるため,Project JXTAのオープンソース・プロジェクト「jxta.org」を立ち上げたことも明らかにした。これにより分散サービスや分散アプリケーションの開発を促進する。Apacheのようなオープンソースのライセンス・モデルのもと,JXTAのソースコードをコミュニティに向けて公開する。

 なお,jxta.orgのインフラは米CollabNetが提供する。CollabNet社は,オープンソースのコンセプトのもと,ソフトウエア開発のための協調作業環境やツールなどを提供している会社である。

 Sun社は2001年3月6日に,ピア・ツー・ピア(PtoP)の検索技術を手がける米InfraSearchの買収について明らかにしており,このときJXTAのプロジェクトを強化・加速させるなどと発表していた。InfraSearch社は完全分散型のPtoP検索エンジンの開発などを手がける企業である。

 なおProject JXTAやjxta.orgの詳細についてはSun社のWWWサイトに掲載されている。

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