米IBMが米国時間4月18日に,2001年第1四半期の決算を発表した。売上高は210億ドルで前年同期比9%の増収。為替差損を含まない場合は同14%増。純利益は17億5000万ドルで前年同期に比べ15%増となった。1株当たり利益は0.98ドルで前年同期の0.83ドルに比べ18%増。

 IBM社会長兼CEOのLouis V. Gerstner, Jr.氏は「2000年後半からの勢いが2001年第1四半期にまで続いた」と説明する。直面している経済情勢の低迷については,「過去5年間実施してきた戦略の有効性がこれまで同様に証明されたかっこう」(同氏)という。

 同氏によれば,とりわけ好調だったのは,サービス(売上高21%増,メンテナンスを除く),OEM向け半導体(同117%増),ストレージ製品「Shark」(同82%増)。ソフトウエアでは,WebSphere(同53%増),データベース製品(同36%増)という。

 ただし,「すべてが良いニュースでない」と同氏は付け加え,デスクトップ製品は伸び悩みを認めている。「これは周期的傾向の問題ではない。すでに成熟期に達したビジネスだ。もはやIT産業経済の牽引車ではない」(同氏)。これに伴ってパソコン向けハード・ディスク装置やディスプレイも落ち込んたという。

 部門別では,ハードウエアの売上高が85億ドルで前年同期と比べて11%の増収。モバイル製品が好調でパソコン部門の売り上げを伸ばした。また中・高位のWWWサーバー機が非常に好調で,UNIXサーバ「pSeries」製品系列が売り上げを伸ばしている。「iSeries」は製品移行が要因となって大幅に落ち込んだ。一方「z900」は好調だった。半導体製品の売上高も大幅に伸びた。

 IBM Global Services(メンテナンスの事業を含む)の売上高は2001年第1四半期に12%増え,85億ドルとなった。このうちe-businessサービスの売上高は40%増となっている。

 ソフトウエアの売上高は29億ドルで,前年同期に比べて横這い。OSは,pSeriesが伸びたことで売り上げ増につながった。ミドルウエアも,データベースやWWW管理ソフトに牽引されて伸びた。

 売上高を地域別でみると,米大陸が90億ドルで前年同期比6%増,欧州/中東/アフリカが56億ドルで同3%増,アジア太平洋地域は43億ドルで同8%増だった。OEM向け売り上げは21億ドルと48%伸びた。

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