米Sun Microsystemsと米Crayが米国時間3月28日に,Sun社のサーバー機「Sun Fire」に関しOEM販売契約を結んだことを明らかにした。Sun社はCray社に対し,Fireのブランド変更,ダイレクト・マーケティング,販売を含むライセンスを供与することで両社は合意した。

 Cray社は開発中のスーパーコンピュータ「MTA-2」「SV2」に,「Fire 6800」をI/O処理プロセサ(データ管理システム)として組み込む。

 Cray社の「MTA-2」は128ビットのRISC風アーキテクチャを採るという。2001年後半に出荷を始める予定である。「SV2」は数十TFLOPS級の性能を備え,「世界で最速のスーパーコンピュータとなる」(Cray社)。2002年第2四半期に出荷を始める予定である。

 一方の「Sun Fire」は,Sun社が3月21日(米国時間)に発表したサーバー・マシン。64ビット・マイクロプロセサ「UltraSPARC III」を搭載する。最大24プロセサ構成が可能で,主記憶は192Gバイト,4 Dynamic System Domain,I/Oの帯域幅は9.6Gバイト。「ミッドレンジ・レベルの価格でメインフレーム・レベルの機能を提供する」(Sun社)としている。

 「Sun Fire」の特徴は冗長性をもたせて可用性を高めたこと。たとえばハードウエアを2重化した。また動作中でもCPU,I/O,メモリの交換を可能にしている。「Sun Fireplane」と呼ぶ接続技術(バックプレーン技術)も特徴の一つ。障害が発生した場所を分離するなど,動的なパーティションを可能にし,耐故障性を高めている。

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