米国音楽出版協会(National Music Publisher's Association)とその子会社Harry Fox Agency社(HFA),米MP3.comが米国時間10月18日に,MP3社が音楽コンテンツのライセンス供与を受ける契約を結ぶことで,3者が合意に達したことを明らかにした。

 また著作権侵害でMP3社を提訴している訴訟について,原告側のMPL Communications社およびPeer International Corporation社がMP3.com社と和解したことも明らかにした。この訴訟は,MPL社とPeer社が2000年3月14日にMP3.com社をニューヨークの南地区連邦地裁に提訴していたもの。音楽出版協会とMP3.com社のライセンス契約が最終的にまとまり次第,裁判を終結する。

 これによって,MP3.com社のWWWベースの音楽提供サービス「My.MP3.com」での音楽コンテンツの使用が許可される。ただし,個々の権利者の了解が必要となる。

 交渉中のライセンス契約案では,MP3.com社が3年間で最高3000万ドルを,HFAを通し音楽協会が抱える25000の版権者に支払うこととなっている。このライセンス料は,過去における音楽使用料と今後の使用料の2つのカテゴリに分けられ,それぞれ版権者に支払われる。

 ライセンス契約の対象となる楽曲数は100万曲を超えるという。MP3.com社のユーザーの使用料としては,ユーザーが開設したカスタマイズ・サイトMy.MP3.comへの1曲のストリーミング配信につき1/4セントとなる見込みである。

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