英EMIと米MP3.comは米国時間7月28日に,著作権侵害係争に関して和解に達したことを明らかにした。MP3.com社の「My.MP3.com」で提供するサービスが著作権侵害にあたるとして,EMI関連の大手レコード会社が提訴していたもの。

 和解に際してEMI社とMP3.com社は,EMI社が管理するレコーディングされた楽曲の利用に関してライセンス契約(North American license)を結んだ。EMI社が管理する楽曲がMy.MP3.comのサービス「Beam-It」と「Instant Listening」で使えるようになる。

 いずれのサービスも,購入済みの音楽CDの楽曲をMP3形式でユーザに提供するもの。ユーザは自分で楽曲の管理が行え,自宅や職場などで聴くことができる。楽曲はMP3.com社があらかじめデジタル化しているので,ユーザにとってはデータの取り出し(リッピング)や,エンコード,アップロードといった手間がいらない。

 「EMIのインターネット戦略とは,魅力的で便利な音楽アクセスをファンに提供すること。この和解により著作権保有者やクリエータも報酬を公正に受け取れる」(EMI社new media上級副社長のJay Samit氏)。

 「消費者は自分の購入したCDをMy.MP3.comを通していつでも,どこでも利用できるようになる。これはアーティスト,著作権保有者,レコード会社がデジタル音楽によって還元されるというひとつのビジネスモデルだ」(MP3.com社会長兼CEOのMichael Robertson氏)。

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  • news.mp3.comに掲載の発表資料