新聞やテレビ、Webといったメディアでは、多くの企業の新製品、新サービスに関する記事を公開している。それらはメディアの記者が取材して集めた情報だけとは限らない。企業やサービス提供者側から、メディアの編集部が受け取った「プレスリリース」を基にしていることも多い。
当然だが、メディアの編集部では日々送られてくる大量のプレスリリースから、記事やニュースとして「取り上げる価値のある」プレスリリースを取捨選択している。企業やサービス提供者といった送り主から見れば、送ったプレスリリースが全て掲載されるわけではないということだ。
弊社タンクフルは、メディアからの依頼で「プレスリリースを基に記事を書く仕事」をする一方で、企業など送り主から依頼を受けて、「プレスリリースを作成する仕事」もしている。そこで本連載では、両方の視点を知るタンクフルだからこそ言える、「メディアに掲載されるプレスリリースを作成するコツ」を解説していく。
メディアに取り上げられれば、無料で広告が打てるのと同じ
プレスリリースの情報は、新製品や新サービスの発表が多い。送り主になるのは、情報を発信したい企業や団体、組織だ。送り主はPR会社に委託して、プレスリリースの作成や配信を依頼することもある。
送付の方法も多様だが、最近では電子メールで送るのが一般的だ。かつてはプレスリリースといえばファクシミリだった。現在でもファクシミリ、ときには郵送もある。ただし必要な部分をコピー&ペーストできる、外出先でも受け取れるなど、ファクシミリや郵送よりも電子メールの方にメリットを感じる記者は多い。
実は「記者がメリットを感じる」ことは、プレスリリースの作成時に重要な意味を持つ。少し本論からは脱線するが、Webメディアでは、たいていは「午前中に15本、午後に25本」というように、記事の目標掲載本数を定めていることが多い。
「午前中にあと1本記事が足りない」というとき、デスクは記者に「手持ちのネタですぐにアップできる記事を書くように」と要請する。そんなとき、記者の多くは「さっと記事にできるプレスリリース」を探すのだ。