2014年11月28日午前10時30分、ワークマンの鐵本(てつもと)孝樹スーパーバイズ部東京地区スーパーバイザー(SV)は、担当する「足立尾久橋通り店」(東京・足立)にいた。鐵本氏は手元のパソコン画面に映し出したデータやグラフを指さしながら、「同じクラスター(集団)の店舗と比べて、高機能のネックウォーマーの売れ行きがよくありません。より目立つ場所に陳列しましょう」と提案した。武藤等店長は「分かりました」と応じ、すぐさま入口そばの目立つ場所に陳列場所を変えた──。

 ワークマンではこうした光景が日常になりつつある。SVは店舗を訪問する前に、SAS Institute Japan(東京・港)の統計解析ソフト「JMP」を使ってPOSデータを分析する。その結果を駆使し、商品の追加発注や陳列の見直し、POPの変更を店長に提案する。

 一般的にSVは10~12店舗を担当し、1日に3~4店舗を巡回する。週1回は各店を訪れる計算だ。SVは各店の販売動向を分析し、1週間サイクルで改善を店長に提案し、販売機会のロスを防いでいるわけだ。

 ワークマンのCIO(最高情報責任者)である土屋哲雄常務取締役は「現場でデータに基づいた仮説・検証のPDCAサイクルを回せるようになった」と手応えを口にする。SVが統計解析ソフトを自在に操り、さながらデータサイエンティストのような役割を担っている。

 では、ワークマンのSVはJMPを使って、どのようにPDCAサイクルを回しているのか。ここで、鐵本氏が実践した足立尾久橋通り店における低価格帯の作業用ズボンの一例を紹介する。

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