2015年に日本で、マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入が飛躍的に高まったが、中には自動化すべきポイントを見誤ったケースも少なくない。IT資産管理ツールや名刺管理ツールなど法人向けソフトウエアを販売/開発するハンモック 企画部営業戦略課担当次長の中川淳氏は、BtoB セールス&マーケティングサミット 冬 in Tokyoで、MAツールを導入するだけでは解決しない、BtoBの営業現場に密接した“仕組みづくり”について語った。
BtoBマーケティングの最重要課題ともいえる、営業部門とマーケティング部門をつなぐ仕組みは、どう構築していくのか。まず中川氏は、2014年後半くらいから盛り上がってきたMAツールを導入しても成果を上げるのが難しい状況について説明。その理由として以下の四つのポイントを指摘した。
- MAツールの多くは海外ベンダーの製品で、日本のマーケティング部門の体制や役割の実情に合っていない
- MAツールの設定/運用に専任者を置くことを前提とした製品が多く、コンサルティングが必須でコストがかかる
- 営業が保有する顧客データとマーケティングの見込み客データベースが異なるため、営業の情報はマーケティング部門に渡らない。見込み客データに抜け漏れが発生しているため、質の悪い、一元管理できていないデータベースとなってしまう
- 営業部門とマーケティング部門の間に温度差があり、マーケティング部門が良いリードを出しても営業部門がフォローしなかったり、リード提供後に営業部門からフィードバックがなかったりする
中川氏は「マーケティングだけを自動化しても成果につながらない」という。こうした事態を避けるため、中川氏はMAツールを活用してマーケティングプロセスを一気通貫で進めることを推奨する。そのためには
- 共通のリードデータベース・・・営業部門とマーケティング部門共通のデータベース作成と維持
- プル施策・・・ホットリード発掘の自動化
- プッシュ施策・・・One-to-Oneマーケティング
- 上層部への報告・・・マーケティング施策の結果報告