Sansanは、「ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を確信する」を社是に掲げ、名刺管理サービスで近年、大きな成長を遂げている。BtoB企業にしては珍しくテレビCMを積極的に展開しており、知名度も急激に上昇している。BtoB セールス&マーケティングサミット 冬 in Tokyoのセッションで、Sansan Sansan事業部 シニアエバンジェリストの松尾佳亮氏が、BtoB企業が営業活動で成果を上げる名刺データベースの効用について語った。
Sansanが提供する名刺管理サービスには法人向けの「Sansan」と個人向けの「Eight」がある。どちらもユーザーがスキャンした名刺情報をクラウド上で管理する仕組みだ。創業時から名刺管理サービスのみでビジネスを展開しており、「今後も他のビジネスに手を出す予定はない」(松尾氏)という。
Sansanが名刺管理サービスに込めているのは、「方法を変えれば結果が変わる」「働き方を変えれば結果が変わる」というシンプルな主張だ。
「世の中が変わるとき、重要になるのはイノベーション。たとえば昭和40年代は電話をかけて商談するのが当たり前だったが、平成27年(2015年)は営業担当者がブースにこもったまま、オンラインで商談できる。顧客のところに行く必要もない。かつての黒電話はスマートフォンに、書類はPCに、スケジュール確認のための手帳はGoogleなどが提供するカレンダーソフトへと進化し、社員はどこにいても働けるようになった」(松尾氏)。
「しかし一つだけ、イノベーションの変化にさらされていないツールがある。それが名刺」と松尾氏は語る。デジタル社会に残された唯一のアナログツール、それが名刺である。その名刺管理を変えられれば、生産性を大きく拡大できるというのがSansanの主張だ。
なぜ名刺だけがイノベーションから取り残されているのか。松尾氏はその理由として
- 名刺が紙であること
- 名刺は個人で管理する習慣が根強いこと
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の2点を挙げた。