Web会議大手で2015年に東証一部上場を果たしたブイキューブ。同社は2016年2月に中期経営計画を発表し、教育や医療、金融、ロボティクスなどの社会インフラ分野を新たな成長分野として位置づけた。同社が狙う成長戦略の勝算を、間下直晃代表取締役社長 CEO(写真1)に聞いた。
中期経営計画では、社会インフラ分野を新たな成長分野として掲げた。
当社が提供するビジュアルコミュニケーションのソリューションは、これまでワークスタイル変革分野で利用されてきた。会議や営業効率を上げる目的、さらに研修に使うといった用途だ。それがここ数年、教育や医療、金融といった社会インフラ分野で利用する動きが出てきている。日本国内だけでなくアジアを中心としたグローバルマーケットへの広がりも見せている。
日本国内で言えば、このような社会インフラ分野でのビジュアルコミュニケーションの利用は、規制緩和の動きともシンクロしている。これまで教育や医療といった分野では、安全性確保のために、対面での教育や医療、薬の販売がメインだった。それが人口が減少し地域格差が激しくなっていく中、日本を成長させるために、ビジュアルコミュニケーションの仕組みを用いて、遠隔教育や遠隔医療などに活用するといった具合にルールが変わってきている。
これまでブイキューブのビジュアルコミュニケーションのソリューションはエンタープライズ分野のユーザーが対象だった。それが、このような流れから、一般ユーザーに対して価値を提供できるようになってきた。
とはいえ一般ユーザーはビジュアルコミュニケーションの代金を支払わないだろう。ビジネスモデルとしてはBtoBtoCとなる。教育分野への応用を考えた場合、一般ユーザーが授業料として支払っている代金の中から、教室代の代わりにビジュアルコミュニケーション代金をBtoBで精算するイメージだ。
中期経営計画を見ると、2015年の売上高が61億円のところ、2018年の売上高は139億円と高い成長を見込んでいる(写真2)。
実は2015年の売上高においても、社会インフラ分野はそれなりの規模がある。例えば教育分野の2015年の売上高は17.8億円。2016年は29億7000万円を目標としている。教育分野はいち早く動き始めている。