必須だった24時間対応のヘルプデスク
今回KDDIは、24時間体制の有人のヘルプデスク窓口を用意した。「24時間、人が対応してくれる体制は当院にとって非常に重要だった。例えば紛失したとしたら、本人はパニックになるだろうし、夜中なら、どこに連絡したらいいのか、と不安に思うだろう」(河本氏)。IPadユーザーには、病院情報システムグループの発案で作成したのが院外カルテポケットマニュアル(写真)も配布した。厚紙でできた名刺より一回り小さなカードで、医師が胸ポケットなどに入れて持ち歩けるようにした。
部門システムの情報も見られればベスト
院外でも電子カルテが安全に閲覧できる、という機能に特化した広島大学病院のiPadは診療の現場で有効活用されているようだ。問い合わせ窓口には、日々、操作についての質問や要望などが頻繁に入ってくるという。
今後の展開について河本氏はこう語る。「今回配布した台数は、潜在的なニーズに比べると3分の1程度ではないかとみている。私が所属する麻酔科もそうだが、診療科によっては、独自の部門システムを運用しており、その情報が見られないと診療ができない、というところもある。そういう診療科では今回の仕組みはあまり役に立たないので、そこをどう支援するかは今後の課題と考えている」。
iPadを医師が自由に使える情報端末として配布する病院も多いなか、業務用端末として徹底的にカスタマイズした広島大学病院。診療の質とスピードを高めるだけでなく、多くの専門医を擁する大学病院ならではの強みを最大化する取り組みと言えるだろう。
広島大学病院の概要
所在地:広島市南区霞1-2-3
開設:1945年2月
院長:茶山一彰
病床数:746床
医師数:715人(非常勤含む)
歯科医師数:234人(非常勤含む)
開設:1945年2月
院長:茶山一彰
病床数:746床
医師数:715人(非常勤含む)
歯科医師数:234人(非常勤含む)