労働者派遣法の改正、2015年問題、そして人月商売。2014年におけるITpro経営分野のアクセスランキングは、IT人材に関わる新旧の話題を扱う記事が上位を占めた。
2014年を象徴するトピックが、労働者派遣法の改正だ。「特定労働者派遣廃止の衝撃」がランキング1位につけたほか、6位に「改正派遣法、施行されれば廃業」、9位に「最長3年へ、派遣の専門26業務撤廃」がランクインした。
改正案は特定労働者派遣を廃止し、許認可制に一本化するなど、IT人材にも大きな影響を与える内容。ところが法案が国会に二度提出されたにもかかわらず、衆議院の解散によって結果的に見送りとなった。2015年に労働者派遣法の改正がどうなるか、要注目だ。
2014年に話題を集めたもう一つの新たなトピックは「2015年問題」。大規模プロジェクトが目白押しになる2015年ごろに、IT人材不足がピークに達する、というものだ。ランキング3位に、この2015年問題を正面から取り上げた「[2015年問題1]現行SIモデルは限界点に、業界に迫る最悪のシナリオ」が入った。
まさにその2015年をこれから迎える。2015年問題は予想通りのシナリオで進むのか。人材不足は回避されるのか。ITproと日経コンピュータでは、引き続きこの問題を注視していく考えだ。
こうした新たな話題と並んで、以前からIT業界に深く根付いていくトピックが注目を集めた。「人月商売」である。ランキング2位に「IT業界の人月商売、多重下請けがもたらす45の害毒」、14位に「多重下請けは本当に必要悪なのか──ポジティブな改善策を考えてみる」が入った。実は3位に入った2015年問題の記事も、人月商売を軸とする現行のSI(システムインテグレーション)モデルの限界を指摘したものだ。
IT業界の人材不足が今後も進みそうだ。ランキング4位に入ったマイナンバー制度(「14年度のマイナンバー政府予算は1000億円、「契約辞退で再入札」はまた起こる?」)の準備も、2015年には企業で本格化する。その中で人月商売の在り方は変わるのか。改正派遣法の行方は? 2015年もIT人材に関わる様々な動きが起こりそうだ。