ドラッカーを知るための最初の第1歩

 ここは東京白金台――。シロガネーゼが優雅に暮らすこの街に「白金台ビジネス理論研究所」はある。その名が示すように、この研究所では世界のビジネス理論の研究とその啓発を行っているのであった。

所長「はじめまして。白金台ビジネス理論研究所所長・中野でございます。以後、お見知りおきを」

榊田「皆さんこんにちは。シロガネーゼの人気者、白金台ビジネス理論研究所主席研究員の榊田耕策です。よろしくお願いします!」

所長「ちょっと榊田くん、何ですかその主席研究員とは。キミはただの研究員、しかも昨年入所したひよっ子じゃないですか」

榊田「ちぇっ、ひよっ子とは手厳しいなぁ。それよか所長、やりましたね。あの日経BP社からうちに、ITのプロを対象としたビジネス理論の解説の依頼があるなんて、もう、驚きましたよ」

所長「……って、キミ。そのしゃべり方。私のこと友だちとか思ってんじゃないの?」

榊田「思ってませんよ。所長はボクの尊敬すべきボスじゃないですか」

所長「……ま、それならいいんですが」

榊田「で、その記念すべき第1回ですが、お題はもちろんドラッカーで決まりですよね」

所長「ふむ、そのとおり。やはりビジネス理論について説くからには、ピーター・ドラッカーのマネジメント論から始めんわけにはいかんだろうね」

榊田「でもドラッカーのマネジメント論って、名前は有名ですけど、いざ説明しろと言われると固まりますよね」

所長「確かにキミの言うとおりかもしれんなぁ。しかし、以下で述べることをしっかり押さえれば、キミだって今日からドラッカー通になれるとも」

榊田「うーん、そいつは楽しみですね」