米Micron Technology傘下の米Lexar Mediaの申し立てに応じ,米国際貿易委員会(ITC)は東芝のNAND型フラッシュ・メモリー製品によるLexar社特許侵害の有無を審査する。Lexar社が米国時間5月11日に明らかにしたもの。審査の日程はまだ決定していない。Lexar社は,2007年なかばに最初の裁定が下り,2007年第3四半期中に最終的な結論が出ると見込む。

 Lexar社は,東芝とその米国法人であるToshiba America社およびToshiba America Electronic Components(TAEC)社が,複数のNAND型フラッシュ・メモリー製品でLexar社の特許3件を侵害したと主張。ITCに対し輸入と販売の差し止めなどを求め,調査開始を申し立てていた(関連記事)。

 税関における対象製品の永久排除を含め,特許を侵害したNAND型フラッシュ・チップおよびフラッシュ・カードと,これらを搭載する製品の輸入差し止めなど,あらゆる救済策を要請している。さらに,小売業者や流通業者にこれらの製品を在庫から排除して廃棄することを要請する排除命令の発行も求めている。

 フラッシュ・メモリーを巡るこれまでの経緯は以下の通り。

 Lexar社は2002年,自社のNAND型フラッシュ・メモリーに関する機密情報を東芝およびTAEC社が盗用したと主張し,損害賠償などを求めていた。カリフォルニア州の高等裁判所は2005年10月に,Lexar社の主張を認め,東芝側に4億6536万8000ドルの損害賠償支払いを命ずる判決登録を行ったが(関連記事),東芝側の申し立てを受け,12月2日に判決登録の見直し審理を実施することを承認した(関連記事)。その結果,陪審団の認めた損害賠償金の支払い命令は無効化したが,同裁判所は,東芝側によるJNOV(裁判官が陪審団の評決を採用せず,異なる判決を下す行為)の申し立ては却下した。

 これに対し東芝側は,12月2日の決定で営業秘密の不正使用や忠実義務違反を行っていないとする同社の主張が認められなかったことを不服とし,控訴を申請した(関連記事)。裁判は現在も続いている。

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