東芝と同社傘下の米Toshiba America Electronic Components(TAEC)が米Lexar Mediaと係争中のNAND型フラッシュ・メモリーに関する機密情報盗用の裁判で,カリフォルニア州の高等裁判所は東芝側の申し立てを受け,判決登録の見直し審理を実施することを認めた。東芝とTAEC社が東京と米国で米国時間12月2日に明らかにしたもの。

 2005年10月にカリフォルニア州サンタクララの高等裁判所は,Lexar社の主張を認め,東芝側に4億6536万8000ドルの損害賠償支払いを命ずる判決登録を行っていた。判決登録とは陪審団の評決を裁判所が登録する手続きで,関係者は登録後に見直しを求めることができる。

 この判決登録に対して東芝側が見直しを申し立てたところ,Lexar社の機密情報盗用と信任義務の不履行に関して新たに裁判で争うことになった。その結果,陪審団の認めた損害賠償金の支払い命令は無効化した。ただし同裁判所は,東芝側によるJNOV(裁判官が陪審団の評決を採用せず,異なる判決を下す行為)の申し立ては却下した。

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[発表資料(東芝、TAEC社)]
[発表資料(Lexar社)]