東芝と同社傘下の米Toshiba America Electronic Components(TAEC)は,NAND型フラッシュ・メモリーの機密情報盗用に関する米Lexar Mediaとの訴訟で,上級審へ控訴を申請した。東芝とTAEC社が米国時間12月5日に明らかにしたもの。

 Lexar社は自社のフラッシュ・メモリーに関する技術を東芝およびTAEC社が不正使用したと主張し,損害賠償などを求めていた。10月にカリフォルニア州の高等裁判所は,Lexar社の主張を認め,東芝側に4億6536万8000ドルの損害賠償支払いを命ずる判決登録を行ったが(関連記事),東芝側の申し立てを受け,12月2日に判決登録の見直し審理を実施することを承認した(関連記事)。その結果,陪審団の認めた損害賠償金の支払い命令は無効化したが,同裁判所は,東芝側によるJNOV(裁判官が陪審団の評決を採用せず,異なる判決を下す行為)の申し立ては却下した。

 東芝側は,12月2日の判決で営業秘密の不正使用や忠実義務違反を行っていないとする同社の主張が認められなかったことを不服とし,今回控訴を申請した。「公正な評決に至るために,引き続きあらゆる法的手段を講じる」(同社)

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