米Googleは,企業向けデスクトップ検索ツール「Google Desktop for Enterprise」(ベータ版)の最新版を公開した。同社Webサイトから無償で入手できる。

 同社企業向け製品チームのMatthew Glotzbach氏が米国時間2月21日に投稿したブログ記事によると,個人ユーザー向けデスクトップ検索ツール「Google Desktop 3(ベータ版)」の全機能を備えるほか,豊富な管理機能を提供するとしている。管理者は,複数のコンピュータを検索する「Search Across Computer」機能を含む全機能について,有効/無効を設定できる。Search Across Computerは,Google Desktopをインストール済みの複数のコンピュータを所有するユーザーが,例えば自宅のパソコンに格納してあるファイルを職場から探し出せるようにする。同機能を巡っては,米電子フロンティア財団(EFF)が「消費者のプライバシを危険にさらす可能性が高い」と(警鐘)を鳴らすなど,懸念の声が挙がっている。米Gartnerは「容認しがたいセキュリティ・リスクがある」として,企業に対して利用しないよう忠告している(Gartner社の報告)。

 Glotzbach氏は,Gartner社の勧告に「同意する」と述べ,「Google Desktop for Enterpriseを導入していないが,社員のGoogle Desktop利用を認めている企業は,すぐにGoogle Desktop for Enterpriseを使って適切な使用制限を設けるべきだ」と説明した。「Desktopチームは,ユーザーのデータやプライバシを保護するためにあらゆる努力を重ねている。われわれ企業向け製品チームは企業データが何よりも重要であることを理解している。セキュリティの不安を解消したいなら,Google Desktop for Enterpriseを勧める」(Glotzbach氏)。

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