米連邦通信委員会(FCC)は,ユーザー・プライバシ保護の法規準拠証明に不備があったとして米AT&Tと米Alltelに各10万ドルの罰金を課す告示(NAL:Notice of Apparent Liability)を米国時間1月30日に発行した。

 FCCは,数社の通信キャリアに対し,顧客に関する専属的ネットワーク情報(CPNI: Customer Proprietary Network Information)の保護と使用について定めたFCCの規定に遵守していることを証明する書類を提出するよう求めていた。

AT&T社はこの要請に応じて1月27日に書類を提出。昨年米SBC Communicationsとの合併を果たした同社は,SBC社の書類は揃っていたが,旧AT&T社による年次報告が欠けていた。

 Alltel社も1月27日に書類を提出したが,その内容は「要件を満たすものではなかった」(FCC)。

 両社はNAL発行後30日以内に罰金を全額支払うか,罰金処分取り消しあるいは減額を申し立てることができる。

 米国では,通話記録の流出に関する懸念が高まっている。米Sprint Nextelは1月に,同社ユーザーの通話記録を不正に入手および販売したとして,1st Source Information Specialists社を提訴した。また,米下院議員のJoe Barton氏は,こうした不正行為を取り締まる法案の申請を予定している。

◎関連記事
米Sprint Nextel,通話データ・ブローカー・サイトの親会社を提訴
米下院議員,個人通話記録の販売を取り締まる法案を提出へ
Liberty Alliance,プライバシー保護に配慮した携帯電話ネット向けSSO仕様の策定に着手
プライバシー保護のレベルを明示,業界団体TRUSTeが新お墨付きシールを策定へ
「米国人2670万人がスパイウエアによって個人情報をハッカーに提供」,米調査
「米国では5人に1人が個人情報窃盗の被害に」,米調査
コロラド大学のサーバーが不正アクセス被害,4万人以上の個人情報漏えいのおそれ
「2004年の個人情報盗難による推定損失額,前年比7500ドル増の4万9254ドル」,米調査

[FCCのNAL(1)]
[FCCのNAL(2)]