米Microsoftは,米国時間2月1日に,サーバー向けOSのアップデート版「Windows Server 2003 R2」と,ファイアウオール機能などを備えるパッケージ製品「Internet Security and Acceleration(ISA)Server 2004」用のサービス・パック「Service Pack 2(SP2)」の一般提供を開始した。

 Windows Server 2003 R2はWindows Server 2003用修正プログラム「Service Pack(SP)1」をベースにしており,安定性とセキュリティを向上させたという。ブランチ・オフィス・サーバー管理機能,ユーザー認証/アクセス管理機能,ストレージ設定/管理機能,Webプラットフォーム機能の強化などを図った(関連記事)。

 Microsoft社Windows Serverグループ上級ディレクタのJeff Price氏は,「複数のブランチ・オフィスに関係するシステムを運用する環境で,大きな改善が見込める」と述べる。「分散ファイル・システムと遠隔差分比較(RDC)といった新技術を導入し,ブランチ・オフィスにあるデータの集中管理を可能とした。データ複製の効率と速度が向上し,ブランチ・オフィス間のネットワーク・トラフィックが最大90%少なくなる」(同氏)。

 なおWindows Server 2003 R2をプリ・インストールしたサーバー製品は,米Dell,米Hewlett-Packard(HP),米IBMが販売する。

 ISA Server 2004はWindows Server 2003をベースとし,ファイアウオール,VPN,Webコンテンツ・キャッシュなどの機能を提供するサーバー・パッケージ。Windows Server 2003 R2に対して,ポリシー・ベースのセキュリティ管理機能などを付加した。ISA Server 2004 SP2とすることで,新たにBackground Intelligent Transfer Service(BITS)キャッシング,HTTP圧縮,トラフィック優先度付けといった機能を搭載した。

 BITSキャッシングは,Windows Updateで使っているファイル転送技術。少しずつバックグランドでダウンロードしたファイルをキャッシュ化してからクライアントに配信することで,ネットワーク帯域消費の集中を防ぐ。HTTP圧縮機能は,Webコンテンツを圧縮して転送することで,より高速なWeb閲覧を可能とする。トラフィック優先度付け機能は,ISA Serverの扱うすべてのWebトラフィックを調べ,重要なアプリケーションの通信を優先的に処理するなどQoSを指定できる。

 ISA Server 2004 SP2は,Microsoft社のWebサイト(Standard Edition用Enterprise Edition用)から無償ダウンロードできる。

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[紹介ページ(Windows Server 2003 R2)]
[紹介ページ(ISA Server 2004 SP2)]