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 Windows Vista,Office 12(開発コード名),Internet Explorer 7――。2005年は,マイクロソフトが2006年に出荷するこれら主力製品の詳細が明らかになったことが注目を集めた。5年ぶりのメジャー・バージョンアップとなるWindows Vistaは,仮想フォルダなどの数々の新機能を搭載。Office 12はメニューとツールバーで構成される“Windows標準”のユーザー・インターフェースを捨て去り,コマンド・タブと呼ぶ新たなインターフェースを採用する。Internet Explorer 7.0は,タブ・ブラウジング機能やRSSサポートを追加してFirefox,Operaなどに機能面で追いつくほか,フィッシング防止機能や保護モードなどのセキュリティ機能を強化する。これらの記事がよく読まれたのは,製品自体の注目度のためだけでなく,明らかになった新機能がそれだけ革新的だったのも大きな理由だろう。

 ソフトウエア開発者にとっては,SQL Server 2005,Visual Studio 2005の提供がMSDN会員向けに開始されたことが最大のニュースと言える。SQL Serverは,新機能の目玉とされていたミラーリングが2006年前半に延期となったものの,ビジネス・インテリジェンス機能をはじめ数多くの強化を施し,コスト・パフォーマンスの非常に高い製品に仕上がった。Visual Studioの入門者向けエディションであるExpress Editionが事実上無償で提供されることになったのもうれしいニュースだった。

 新製品が発表される一方で,旧製品のサポート切れも静かに進む。Windows 2000は2005年6月にメインストリーム・サポート・フェーズを終了。それにあわせてService Pack 4以降のパッチをまとめた「Windows 2000 SP4対応の更新プログラム・ロールアップ1(UR1)を公開した。7月以降の延長サポート・フェーズでは,マイクロソフトと有償のサポート契約を結ばない限り,不具合修正用のプログラムは提供されない。Visual Basic 6.0も同様に,2005年3月に延長サポート・フェーズへと移行している。マイクロソフトの当初の目論見では,2世代先の製品(Windows VistaやVisual Studio 2005)の出荷とほぼ同時期に延長サポートへと移行する予定であったが,製品開発の遅れからずれが生じることとなった。マイクロソフトには2006年のがんばりを期待したい。

◆クライアント向けWindows次期版の名称は「Windows Vista」に

米Microsoft,次期Windowsの名称「Windows Vista」を正式に発表,ベータ1を8月3日までにリリース(7月22日)
Windows Vistaには7つのエディションが用意される(9月12日)
Windows Vistaのエンドユーザー向け機能が明らかに(9月12日)
画面でチェックするWindows Vista(前編)(12月6日)
画面でチェックするWindows Vista(中編)(12月6日)
画面でチェックするWindows Vista(後編)(12月6日)

◆Office次期版がユーザー・インターフェースを刷新

米マイクロソフト,「Office 12」を初公開。Windows Vistaと併せて次世代プラットフォーム環境を提案(9月14日)
PDC速報:Office次期版はタブをウインドウ上部に配置するデザインに刷新(9月14日)
米MS,Office次期版でXPS/PDFをサポート,OpenDocumentは拒否(11月1日)
プレベータで見るOffice 12の操作性(11月18日)
米Microsoft,Office 12の文書ファイル形式「Open XML」を標準規格化へ(11月24日)

◆Internet Explorer 7はタブ・ブラウザに

IE 7.0はタブ付きブラウジング機能を搭載(2月28日)
Windows XP SP2向けにもIE 7 Beta1がリリース,ただし提供は限定的(7月29日)
IE7が「Windows Internet Explorer 7」に名称変更(8月15日)
ベールを脱いだ,IEの次期バージョン(8月30日)
PDC速報:IE7英語版ベータ2の一般公開は12月,XP用正式版リリースは2006年3月(9月15日)
IE7の公開ベータ版は2006年1,2月に(12月12日)

◆Visual Studio 2005,SQL Server 2005がMSDN会員向けに提供開始

SQL Server 2005の注目機能「DBミラーリング」の実装が延期に(10月3日)
Visual Studio 2005日本語版をいち早く入手可能な先行特別パッケージが12月発売に (10月31日)
マイクロソフトがSQL 2005/VS 2005を正式発表,日本語版完成は12月15日(11月17日)
VS 2005のExpress Editionは事実上,無償提供へ(11月8日)
使い勝手の向上を追求する,それがVisual Basicの永遠の課題──米MicrosoftのVBアーキテクトが語る(11月24日)
Visual Studio 2005日本語版が完成,MSDN会員はダウンロード可能に(12月15日)
SQL Server 2005の日本語版が完成,Oracleユーザーへの5割引き販売や移行ツールの提供を実施(12月15日)

◆Windows 2000,Visual Basic 6.0のサポートが延長フェーズへ

Visual Basic 6.0のサポート終了を考える(5月19日)
Windows 2000が7月1日から延長フェーズへ突入,ユーザーは注意(6月27日)
マイクロソフト,Windows 2000の更新プログラム・ロールアップ1を公開(6月29日)
Windows 2000のサポートが縮小,重要サーバーは移行の検討を(7月19日)
Windows 2000にさらばと言おう(7月21日)
MS,Windows 2000 SP4向けパッチ集(UR1)を再リリースへ(8月5日)
マイクロソフト,不具合を修正したWindows 2000 UR1を再リリース(9月14日)

◆マイクロソフトがWindowsの不正使用防止策を強化

マイクロソフト,OEM版Windows XPを対象にネット経由のアクティベーションを中止 (3月4日)
マイクロソフトがWindows XPの不正コピー対策を強化,正規ユーザーだけに無償の追加ソフト(3月15日)
マイクロソフト,Windows XP正規ユーザー向けにLZHファイルの展開ツールを無償提供(4月8日)
Microsoftの海賊版対策プログラムWGAが早くも破られる(8月1日)

◆x64版Windowsが出荷開始,プロセッサはデュアルコアへ

Windows XP x64 Editionがいよいよ発売,秋葉原では恒例の深夜販売(4月23日)
【WinHEC速報】ゲイツ会長が基調講演でx64 Editionを正式発表,Longhornもデモ(4月26日)
米Intel,初めてのデュアルコアCPUとなるPentiumの新製品を出荷(4月13日)
日本AMDがサーバー向けデュアルコア・プロセッサ群を発表,6年前の布石で互換性を維持(4月23日)
「デュアルコアのPentium 4は急ぎで作ったもの」,Intel技術者が認める(8月22日)
インテルとAMDが舌戦、互いに自社の正当性を主張(9月2日)

◆Windows Serverのリリース・アップデート版が登場,メジャー・バージョンアップは2007年に

米マイクロソフト、Windowsサーバーの将来計画を発表,「Longhorn Server」出荷は2007年。PDC05にてCTP版を配布(9月16日)
米Microsoft,2003 R2から仮想マシン環境のライセンスを簡素化(10月12日)
Windows Server 2003 R2日本語版が完成,2006年2月に出荷を開始(12月16日)

◆Xbox 360が米国,欧州で販売好調

Xbox 360が米国で発売に,Windows 95発売時の騒々しさが再来(11月23日)
発売直後の「Xbox 360」を分解してみた(11月24日)
Xbox 360が欧州上陸し数時間で完売,今週末は日本で発売(12月5日)
次世代ゲーム機Xbox 360が日本上陸,渋谷でカウントダウン・セレモニー(12月10日)