個人の通話記録を販売する行為について,米下院エネルギー/商業委員会の委員長を務めるJoe Barton議員(テキサス州共和党)は,これを取り締まる法案を提出する意向を米国時間1月19日に明らかにした。
また同法案では,携帯電話会社に対して,より有効な顧客プライバシ保護対策の実施も要請する。
「先週,携帯電話利用者のプライバシが侵されているニュース報道が相次ぎ,個人の通話記録がインターネットを介して約100ドルで売買されていることが明るみに出た。米連邦捜査局(FBI)やニュース取材者は,発信元番号および発信先番号を詳細に記録した月別通話履歴を購入できることを確認した」(同氏)
通話記録の窃盗には,別人が携帯電話所有者になりすまして通話記録ファイルを取り寄せる「プリテキスティング(pretexting)」と呼ばれる手法を使うのが一般的だ。
Barton氏は,「pretextingで財務履歴を入手することは違法だ。しかし,同様の手法で通話記録を入手することは(取り締まる法律が成立していないため)違法とはならない。私はこれを違法とするために行動するつもりだ」と述べた。
米メディアの報道(InfoWorld)によると,昨年7月,米Verizon Wirelessは携帯電話の通話記録を販売した企業を相手取って裁判を起こしており,電子プライバシ情報センター(EPIC)はこうした販売行為に関する苦情を米連邦取引委員会(FTC)に申し立てている。EPICは通話記録の販売を行っている40ほどのWebサイトをすでに確認しているという。
◎関連記事
■Liberty Alliance,プライバシ保護に配慮した携帯電話ネット向けSSO仕様の策定に着手
■プライバシ保護のレベルを明示,業界団体TRUSTeが新<お墨付きシールを策定へ
■「米国人2670万人がスパイウエアによって個人情報をハッカーに提供」,米調査
■「米国では5人に1人が個人情報窃盗の被害に」,米調査
■コロラド大学のサーバーが不正アクセス被害,4万人以上の個人情報漏えいのおそれ
■米MasterCard,4000万人分以上のカード情報流出を報告
■「2004年の個人情報盗難による推定損失額,前年比7500ドル増の4万9254ドル」,米調査
[発表資料へ]