非営利団体のIdentity Theft Resource Center(ITRC)は,個人情報の盗難について調査した結果を米国時間9月15日に発表した。それによると,2004年に発生した個人情報盗難で,被害の復旧に要した時間は3~5840時間におよぶという。

 2004年に個人情報の盗難によって受けた損害の回復に費やした時間は平均330時間。被害者の約半数が,100時間以上を費やした。

 被害内容については,「新規口座の開設に名前が悪用された」(66%),「携帯電話サービスの購入に個人情報が悪用された」(28%)などが挙がった。また,3分の1以上が,当座預金を不正利用されている。

 これらの被害内容は2003年と2004年で大きな違いはないものの,ケーブル/公共料金向け口座の開設に個人情報が悪用された割合は,2003年の9%から2004年は18%に倍増している。

 個人情報が盗まれてから不正利用が発覚するまでの期間を尋ねたところ,「3カ月以内」が37.5%で,前年(48%)と比べて減少している。一方,「4年以上」は18%で,前年(9%)から2倍に増えた。

 2004年の被害者1人あたりの推定損失額は4万9254ドルで,前年の4万1717ドルと比べて約7500ドル増加した。また,個人情報の盗難による間接的な被害として,「クレジットの取得,勘定の清算,仕事の獲得および維持が困難になった」「保険または貸付金利などで悪影響がでた」などが挙がった。

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