米Computer Assuranceは米国時間10月11日に,個人情報盗難の被害状況に関する調査結果を発表した。それによると,最近では国外のハッカーなどに個人情報を盗まれるケースが増えており,2670万人の米国消費者が,知らないうちに個人情報を国外に伝送しているという。

 既知のスパイウエア2000種類を対象に分析を行ったところ,そのうち15%のスパイウエアが,侵入したコンピュータに格納されている全タイプの情報を盗み出している。その手口は「キー・ロギング」と呼ばれるもので,ユーザーのキー入力を記録し,それをスパイウエア作成者に送る。2004年に発生した個人情報盗難の5%は,この手法によるものだった。

 現在,米国のインターネット・ユーザーは2億2300万人を超える。非営利団体の全米サイバー・セキュリティ連盟(NCSA:National Cyber Security Alliance)によれば,デスクトップ・パソコンの80~90%にスパイウエアがインストールされている。つまり米国インターネット・ユーザー1億8740万人のパソコンがスパイウエアに感染していることになる。そのうち15%(2670万人)は,ハッカーなどが個人情報を盗み出すのに十分な情報を与えてしまっている。

 ちなみに,2004年に米国で発生した個人情報盗難事件は約1000万件で,損害額は500億ドル以上にのぼる。そのうち,スパイウエアが原因となった損害は25億ドルだ。同社は,「もしこのまま何も手を打たなければ,2005年の損害額は,スパイウエアを原因としたものだけで1330億ドルに達する」と警告する。

◎関連記事
FTC,違法にスパイウエアを配信した米企業を提訴
「“高度化”するスパイウエア,駆除を試みるとPCをクラッシュさせるものも」──米Webroot
「企業はスパイウエアの対応に月間13万ドル分のIT時間を費やしている」,米FaceTime
「パソコン1台あたり平均25個のスパイウエア」,米EarthLink
「ITマネージャが考える2005年ネットワーク・セキュリティの脅威はスパイウエア」,米WatchGuard
「キーロガーや偽URLなど,フィッシングの手口が悪質化」,APWG
米AOLがスパイウエア防止ツールの新版を発表,「4段階のスキャンを実行」
米Microsoft,スパイウエア対策ソフト「Windows AntiSpyware」ベータ版をアップデート

[発表資料へ]