米Webroot SoftwareのMichael Greeneディレクタ
米Webroot SoftwareのMichael Greeneディレクタ
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 「スパイウエアは“高度化”する一方だ。駆除しようとするとユーザーのPCをクラッシュさせるスパイウエアや,ルートキットの技術を用いて姿を隠すスパイウエアなどが続出している。特定のスパイウエアを監視して,それが駆除されると新たなスパイウエアをインストールする“監視ソフト(Watcher)”なども存在する」---。米Webroot Software(以下,Webroot)の製品管理担当ディレクタMichael Greene氏は9月30日,日経BP社の取材に対してスパイウエアの現状や同社製品について説明した。

 Webrootはスパイウエア対策ソフト「Spy Sweeper」などを開発販売するソフトウエア・ベンダー。米国のスパイウエア対策ソフトのリテール市場において,Spy Sweeperは68%のシェアを占めるという。「エンタープライズ市場では35%」(Greene氏)

 同社ではフリーのスパイウエア検出ツール(駆除はできない)「SpyAudit」を公開している。Greene氏によれば,「SpyAuditでスキャンしたPCの80%で,なんらかのスパイウエアが見つかっている」という。また,「1台のPCで見つかるスパイウエアの平均は25.4件。2005年第1四半期は平均22.8件だったので確実に増えている」(同氏)。

 感染件数が増えているだけではない。冒頭の言葉のように,スパイウエアの“高度化”も進んでいるという。スパイウエアの作成・配布はビジネスになっているためだ。「スパイウエアは製作者や配布者に金銭的利益をもたらすため,より高度な技術が駆使されるようになっている」(Greene氏)

 「米国では深刻な状況になっている。日本でも1年半ほど前からスパイウエアの感染報告が増えていることを確認している。米国と状況が似てきている」(Greene氏)。そこで同社は日本市場に進出することを決定。12月のはじめごろに,日本語版のSpy Sweeperを発売する予定だ。価格はパッケージ版が6000円程度,ダウンロード版は4000円程度になる見込み。

 Greene氏によると,ドライバとして動作するスパイウエアを検出駆除できることや,シグネチャ(定義ファイル)を頻繁に更新することなどが同製品の特徴だという。「フリーウエアの対策ソフトでは,ドライバ・レベルで動作するスパイウエアは駆除できない。また,Spy Sweeperではシグネチャの更新頻度が1週間に2~5回であるのに対して,フリーウエアでは2週に1回程度だ」(同氏)