米WatchGuard Technologiesは,企業のITマネージャと管理者に対してセキュリティに関して行なった調査結果を米国時間1月24日に発表した。それによれば,回答者の3分の2は,この先12カ月でスパイウエアがネットワーク・セキュリティに対してもっとも大きな脅威だと考えていることが明らかになった。

 スパイウエアは,ユーザーの知らないあいだにパソコンに入り込み,個人や企業の情報を密かに収集する。エージェントのトラッキングを行なうものからWebブラウザを乗っ取って別のページに誘導するものまでさまざまな種類が存在する。

 調査により,回答者の66%は,2005年においてスパイウエアはウイルスやフィッシングよりもネットワークに大きな脅威を引き起こすと考えていることが明らかになった。また,ウイルス,スパイウエア,フィッシングの中でスパイウエアに対してネットワークの対策がもっとも薄いと65%が回答している。

 しかし,企業幹部が考えているセキュリティの重要事項を聞かれると,ウイルスが54%でスパイウエアが最優先事項だと回答したのは38%だけだった。また,IT管理者は,自分の管理下にあるユーザーの73%はスパイウエアがどのようなものか認識していないと回答している。

 同社最高戦略責任者のMark Stevens氏は,「同調査により,ITマネージャがスパイウエアに対して不安を感じているが,企業内の他の人の多くはこの脅威に対してなじみが無いことが明らかになった。確実にネットワークの保護をするために,教育は最良の防御である。すべてのユーザーが自身とネットワークを守るために実行できる手段とともに,スパイウエアの攻撃に関連するセキュリティ・リスクと金銭的な影響を完全に理解する必要がある」と説明している。

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